庵原コッペル10HP難関突破!? 8トン ポーター発売前直前情報  2011.1.24

庵原コッペルのMax Orenstein式弁装置(コッペル弁)の余りの小ささはこの前のナロー随筆で御紹介しましたが,実際こんなもの出来るの?という疑問は常に持っていました.これが動かないことにはこの模型の意味が半減してしまいます.完成見本を作るにも先ずこれが何とかならないかと一つのキーポイントであった訳です.この前も書きましたように0.4mmのカシメピンは使えません.それを待っているのももどかしく,取りあえず,非常に重要なポイントなので,E板,0.3mm径段付き洋白棒で,恐る恐る作ってみました.工場長には毎日,「こんなもんできませんで」とボヤキながらの製作でした.工場長からは,「矢張り出来るの俺だけか・・・」の返答.むかぁ〜

0.3mm内径の真鍮パイプ,半田点付け(でも流れ出して5〜6回やり直しました.最後はこれを避けるために粘性の高い低融点半田でとりあえずリンクを作って恐る恐る駆動ギヤ回してみました.おーおー動く動く.フルワーキングです.「ざまぁ」と声を上げて喜びました.滑り弁ロッドの行程は設計上0.2mmで動いているような動いていないような・・・回転を上げると分かるのかも知れません.ガイドヨークに邪魔されているのかも・・・実物の写真を見るとガイドヨーク前のクレビスジョイントだと思っていたのが,どうも弁棒の長さ調整用のターンバックルのように思えました.信頼性有る動きのために今,至急設計変更を行っています.クレビスが一つ減るので若干組み立てが楽になるかも知れませんが,何れにしても老眼には骨の折れる仕事で,翌日は眼精疲労で頭は痛いは,寝不足で体はだるいはで,出勤したものの仕事になりませんでした.そのような理由でキットにはリンクユニットカシメ済みのVersionも設けることにしました.腕に自信の有る方はバースキットを是非に.

 取りあえず映像のみです.動画は簡単なものを来週初めにUp予定です.既に撮影したのですが,持つ手が震えて非常に情けないものになっていますが,少なくとも,滑り弁棒の動き以外は分かって頂けると思っています.これで最難関突破・・・と思っていると意外な落とし穴があるものなのですね.後少し.まだまだ気を抜けません.




いよいよポーターも姿を現しました.

8 ton Porter サドルタンク機関車(木製オープンキャブ,鋼製オープンキャブ,木製クローズドキャブ3種類)HO-n30 (9 mm)の近日中予約受注の目処が付きました!信頼性,高性能なファウルハーベル8φコアレスモーター搭載、スーパーディテールの幣工房のクラスFSKSであります.台枠から車軸が見えてしまう程の低さです.ここは工場長の拘り.敢えてこの大きさでロッド駆動としました.確実なQuatering他,極めて高い精度が要求されるものです.現在の試作段階では極めて走行はスムーズで殆ど無音というすばらしさです.カップリングロッドの穴の開け方も試行錯誤で工夫をしてあります.既に本モデルに関しては,Gクラブ様のHPで数年前からアナウンスされていましたが,これは全ての部品を作り替えた別物です.

本機は以前製作した試作機を全面的に見直し、大半のパーツを新作しています。写真は下回り・動力部です。写真の状態で精密産業用エッチング部品の他、ロッド類、モーターマウント、ガイドヨーク、ピストン、動輪タイヤ、クランクピン、ギアケース、車軸は高精度CNC工作機械によるマシンカット、他は全てロストワックスキャスティングにより製作されています。尚、ロストワックスマスターの製作にあたり、複数の部品を集積して一体化させ組み立てが容易に出来るよう図っています。以下に幣工房の設計コンセプトと合わせて数例紹介します。

    

超精密火室とブレーキディテール等を見るとOナローのようです.



はシャシと前後エンドビームの取り付け例です。芋付けを避ける為、シャシ両端部にはヒンジを出し、相手側となるエンドビームにはヒンジが入る溝が切ってあり、この溝にヒンジを差し込むことで、ハンダ付けを容易にする構造です。ロストワックスパーツへのハンダ付けが苦手な方は、エポキシ系接着剤で固定しても十分な強度が確保される設計です。又洋白板の動輪抑えは位置がずれないようにシャシに嵌め込むように出来ています。

PIC 2は嵌め合い時の状態を示します.



これは嵌め合い時の状態を示します.




これはは床板のシャシへの取り付けです。シャシ中央上部に楕円状のボスが用意されており、このボスに床板の楕円の穴を嵌め込んでこの部分のみにハンダを流せば床板が固定されます。尚床板後端部はリアエンドビームに突き当てであるため、この床板の位置とセンターが正確に求まり、且つ隙間無く組み立てが容易にできます。



ポーターの動輪間中央に位置する独特のブレーキリンクは是非とも組み込みたいパーツです。本機ではハンガーとシューを別々に製作し組んだ上でワンピースキャストしました。パーツ後部には固定用ピンを出してあり、このピンをシャシに差し込んで固定します。この方法によりややこしいブレーキシステムを容易に組み込むことができます。尚、CADシミュレーションにより動輪への接触・ショートの発生無き様確認済みです。無論模型実機でも!このパーツの組み込みは工場長がこだわった部分です。

数日後に無塗装生地完成品写真をUPさせて頂きます。ご期待ください。