HO-6.5シャシの開発 No.1 2010.9.3

 これまで本随筆で,HO-6.5について紹介してきました.使えそうなシャシが手頃な価額で供給されれば,より狭軌感の強いHO-6.5も日本で少しは層が厚くなるのかも知れません.弊工房では様々な機関車は鋭意開発しており.近い将来,順次皆様にお目にかけることが出来ると思いますが,昔から気になっていることがあります.何かで聞いたことがあるのですが,かの地アメリカでも一時,Maine 2 Footer6.5mmのシャシを欲しがっていたとか・・・しかし,HOナローでこれだけ9mmが主流となってきますと.色々とセールスのことも考えなければならず,私どもも価額や信頼性の点から,継続して検討してきました.

 少し目処がついたので,御報告させて頂きます.モーターはもっとトルクのあるBトレのフラットモータを使いたかったのですが,モーター単体では入手出来ず,とりあえず手持ちの6φ×12mmの振動用のモーターを使いました.写真でお分かりの通り,台枠はブラス削りだしの一点ものです.モーター横置き6.5mmシャシは今までスポット的に市場に出たのを見ていますし,立派な商品も存在するようです.かく言う私も商品開発を忘れ,加藤とシャシを買って嬉しそうに走らせています.ある人に言われてしまいましたが,バカなの,死ぬの?−のレベルです.

 ボンネット内も最近はモデル化するのかなと思い,モーター縦置きとしました.極限までフリーで軽く走るようにしたのですが,当然減速比がとれない上に,トルクがありませんので,新幹線用シャシになってしまいました.実際に適当なボディに装着し,錘を付けてみると,一応鉄道模型としての走ろを得ることを確認しました.写真の通りW社さんの足尾のフォードを6.5mmに改軌したモデルとP社さんのNナロー(1/140)の酒井と比べてみましたが,Nナローにもモーターの工夫で使えるかなとか思ったりしています.内燃機関車であれば,モーター横置きでは寧ろキャブインテリアが作り込みやすく,縦置きがエンジン等のボンネット内ディテールが作り込みやすい等の特長があり,最近,縦置きが少なくなっていることも考慮しまして,縦置きを中心とした,今少なくとも3種のホィールベースのシャシ,6.5mm/9mmの設計に着手しました.

試作の6φ×12mmモーター縦置きシャシ

協W社足尾のフォードとの比較写真です.一般にスプリットシャーシはとにかく塗ってから組まないと走りの確認も出来ないという欠点がありますが,改軌は比較的簡単に出来てしまいます.プロトタイプが2フィートであったため,実際に改軌された人も多いと聞いています.台枠は,いざSF挑戦でやってみたのですが,やりすぎてしまいました.こんな方法ではないようですね.上品なSFは未だに五里霧中です.このフォードにも合うようなWBのシャーシも考えています.

P社の古いエッチング板のN(1/140)ナローの酒井です.いい加減に動力化してあります.流石にNになると,とてもとてもハウジング長さ12mm??の大きなモーターでは無理があるようです.横置きなら何とかなりそうなんですが(実際にこれはモーター横置きで動力化しています),横置きにするとバリエーションが増えすぎてしまい,とても弊工房では対応出来ません.いい方法はと日々頭を悩ませています.やはり,この手の自走するNナロー機関車も欲しいものです.